日中戦争や太平洋戦争の過酷な体験で精神疾患を発症し、国から療養費を受給していた旧軍人・軍属はピーク時に1107人おり、そのうち栃木県の対象者は記録が残る1997年度以降3人だった。療養費の支給は戦傷病者特別援護法に基づくが、戦中に疾患が公にされなかったことや、症状を抱えながら医療機関を受診しなかった人も多くいたと見られ、現在も実態は把握されていない。療養費の受給者は「発症者のごく一部」という指摘もある。