東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故は3月で15年となる。下野新聞の取材班は9日、1年ぶりに同原発へ足を踏み入れた。廃炉作業の最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しに向けた準備工事が進み、刻々と姿を変える構内。だが約880トンに及ぶデブリは耳かき1杯程度の量を採取しただけで、本格的な取り出し方法は見いだせていない。15年を費やしてもなお果てしない廃炉への苦闘が、世界最悪レベルと評された事故の影響の大きさを表していた。

ブルーデッキから見える2号機(左)とドーム型の3号機=9日午後0時30分、福島県大熊町
ブルーデッキから見える2号機(左)とドーム型の3号機=9日午後0時30分、福島県大熊町

 外観はまるで街中で通常通り稼働している工場のようだった。1年前は水素爆発によるひしゃげた鉄骨やがれきの山がむき出しだった1号機。現在はほぼ全体が鉄骨やパネルで構成される大型カバーで覆われていた。

 取材班は9日正午過ぎ、展望台から原発構内を望んだ。1号機内部には使用済み、未使用の核燃料392体が今も眠る。カバーは核燃料を取り出す前段として、がれきを撤去する際の放射性物質飛散を防ぐためのものだ。

原子炉建屋を覆う大型カバーが完成しつつある1号機。今月中の完成を見込んで工事が進んでいる=午後0時35分、福島県大熊町
原子炉建屋を覆う大型カバーが完成しつつある1号機。今月中の完成を見込んで工事が進んでいる=午後0時35分、福島県大熊町