地域の隠れた「映えスポット」など、ふらっと立ち寄りたくなる県内の場所や風景を隔週で紹介します。

 ほの暗い階段を進んで2階に上がると、見上げるほど巨大な天体望遠鏡が姿を現す。その上部を覆うドーム状(直径7メートル)の屋根が「ゴゴゴ」と低い音を立てて開き出し、その間から徐々に空が見えてくる。「どんな天体が見られるのかな」。そんな高揚感を覚えつつレンズをのぞくと、無限に広がる宇宙の世界が待っていた。

県内屈指の大きさを誇る口径65センチの反射望遠鏡
県内屈指の大きさを誇る口径65センチの反射望遠鏡

 環境省が行う星空継続観察で「星がよく見える場所」として日本一に計4度選ばれたことがある大田原。その星空を気軽に観察できる施設が、2008年4月に開館した「ふれあいの丘天文館」だ。メインの天体観測室には県内屈指の大きさを誇る口径65センチの反射望遠鏡が設置されている。

 訪れたのは2月中旬の日中。雲一つない青空に太陽だけがさんぜんと輝き、星は一つも見えない。

 夜に来るべきだったか。少し後悔の念を抱いていると、館長の渡辺剛(わたなべつよし)さん(66)が「昼には昼の楽しみ方がありますから」と言いながら、慣れた手つきでパソコンを操作し望遠鏡を南の空に向ける。

大田原市中心部から車で10分ほどとアクセスが良いふれあいの丘天文館
大田原市中心部から車で10分ほどとアクセスが良いふれあいの丘天文館

 レンズをのぞくと中央に白い小さな点が見える。水星だ。