子どもが言うことを聞かないと、つい怒ってしまう。行儀が悪く手を焼いている。暴力的な行為をやめさせたい-。そんな悩みの解消に有効な「PCIT(親子相互交流療法)」をご存じでしょうか。県内で治療に取り組む自治医大小児科学講座の俣野美雪(またのみゆき)助教に内容や効果を聞き、実践の現場にもお邪魔しました。

自治医大でPCITによる治療に取り組む俣野助教
自治医大でPCITによる治療に取り組む俣野助教

■米国発の心理療法 「育児困難感」減らす効果も

 PCITは1970年代に米国で考案、開発された心理療法です。育児に悩む親などの養育者と、心や行動に問題のある子どもの相互交流を深めることで、関係改善を図ります。

 特長は、資格を持ったセラピストが、親子の触れ合う様子をリアルタイムで見てコーチングする点です。セラピストは観察室から、マジックミラー越しにプレイルームで遊ぶ親子の様子を観察して評価し、イヤホンを付けた親へ即座にフィードバックをします。

PCITを実施する自治医大のプレイルーム。左手扉の円形の鏡はマジックミラー仕様になっている
PCITを実施する自治医大のプレイルーム。左手扉の円形の鏡はマジックミラー仕様になっている

 スタンダードなPCITは、対象年齢が2~7歳とされています。一方でもっと幼い、もしくは小学生程度向けのプログラムもあります。問題行動を取る子とその親だけでなく、発達障害や低出生体重児の子と親、過去に虐待を受けて育児に自信のない親と子など、対象は幅広いです。