種株の出来がウドの品質を左右する

 シャキシャキとした食感と独特の香りが特徴のウドは、春の訪れを感じさせてくれます。JAなすの管内では、40年ほど前から冬期の収入確保のために山ウドと軟化ウドの栽培が始まりました。現在では、全国トップクラスの生産量を誇り、「那須の春香(はるか)うど」のブランド名で、栃木県内のほか、首都圏を中心に出荷しています。

 現在、うど部会の会員数は94名で、そのうち80名が山ウドを生産しています。うど部会の副部会長を務める那須塩原市の後藤守さん(60)は、20年前から山ウドの生産を始め、現在、夫婦で年間約4㌧を出荷しています。

 ウドは、3月から4月に休耕田に種株を植えて育て、11月に株を掘り起こしてハウスや地中に伏せ込みます。このとき、ハウスに伏せ込み、もみ殻を30㌢程度かぶせて芽を伸ばし、先端部分にだけ光を当てて緑にするのが山ウド。地中に室をつくって株を伏せ込み、光を遮断して白い芽を伸ばしたものが軟化ウドです。軟化ウドよりも山ウドの方が香りが強く味が濃いのが特徴だそうです。

 「品質のよいウドをつくるには、いかによい種株を育てるかがポイントです。梅雨や台風シーズンにしっかりとした排水対策をしておかないと、株が水に浸かって腐ってしまいます。また、雑草が生えると種株がじゅうぶんに成長しないため、こまめな除草が必要です」と後藤さん。よい種株を育てるには多くの労力が必要です。

伏せ込みから約1か月で収穫・出荷が始まる

 育てた種株は、ハウスに伏せ込み、保温と遮光のためにもみ殻をかぶせます。さらにハウス内の温度が低くならないように山ウドの周囲に電熱線を張って暖めます。伏せ込みから約1か月で収穫・出荷が始まります。

 遮光シートを張ったハウスに案内してもらうと、昨年12月末に伏せ込んだウドが成長し、収穫時期を迎えていました。後藤さんは、敷き詰めたもみ殻をかき分け、ウドの成長を確認しながら1本1本ていねいに収穫していきます。純白のウドは、手で触れると変色して跡が残り出荷できなくなるため、収穫には神経を使うと言います。午前中に収穫し、袋詰め、箱詰め作業を経て夕方には出荷。収穫は3月いっぱいまで続きます。

 「新鮮な山ウドは、アクが少ないので、サラダなど、生で食べるのがおすすめです」と後藤さん。これからもおいしいウドをつくって消費者に喜んでもらいたいと、話してくれました。

【問い合わせ】JAなすの0287・62・5555

雑学辞典

注目!ウドの栄養価 野菜の中でも水分が多く、独特の渋みをもつタンニンを含んでいます。また、ビタミンCやカルシウムのほか、新陳代謝を促し、疲労回復に効果があるアスパラギン酸、血行をよくするナイアシン、体の塩分を排出し、血圧の上昇を抑えるカリウムなどが含まれています。

 このほか、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」は、抗酸化効果があるなど、栄養分が豊富な食材です。