
〈解説〉
SDGs(エスディージーズ)は将来にわたってすべての人が人間らしい生活を続けるために、人類全体で今、取り組む必要のある17の目標のことです。
SDGsでは17の目標それぞれを短くまとめたタイトルをつけていますが、目標を細分化したターゲットを読むと、一つの目標の達成のために実にさまざまな事柄に取り組もうとしていることが分かります。
また目標達成の目安となる指標が別々の目標の間で重なっているように、一つの取り組みがいくつものSDGsと一致する場合があります。
設問【2】では(3)に限定して考えてもらいましたが、他の目標とも以下のように一致すると考えることができます。
(1)【貧困をなくそう】全ての男女が教育の利用に平等な権利を持てるようにする。
「全ての男女が教育を利用できるようにする」という視点から見ると、取り組みdは「義務教育を終えてない人や日本語を学ぶ場がほしい外国人など主に成人に加えて、不登校の現役生徒もカバーする」という点が(1)と一致する。
(2)【質の高い教育をみんなに】全ての児童が、無償で中等教育を修了できるようにする。
「全ての男児女児が中等教育を修了できるようにする」という視点から見ると、自主夜間中学である取り組みdは公立夜間中学なら可能な中等教育修了(中学校の卒業)の資格は得られないが、「公立に週5日通う条件が整っていない人にも中等教育修了への橋渡しになるような学習の機会になる」という点が(2)と一致する。
(4)【人や国の不平等をなくそう】適切な政策、行動の促進を通じて権利を平等にする。
「適切な行動によって権利の平等化を図る」という視点から見ると、取り組みdは「学齢期の不登校生徒にも学習の機会を用意するという行動により、より広くさまざまな立場の人の学習の権利を保障することになる」という点が(4)と一致する。