救われたナシとリンゴ涙の継承物語

 

 全国的に農業の後継者不足が課題となる中、那須烏山市のナシ、リンゴの果樹園で運命的な継承の物語が生まれています。約50年育まれた阿相善一(あそうぜんいち)さん(86歳/写真右)のナシ園とリンゴ園の味を知る人は言います。「『命を救われた』とナシやリンゴの木が喜んで泣いているよ」。

 救世主となったのは北海道から移住し、宇都宮市で17年間フィットネス講師をしていた中村麻衣さん。昨年末、子どものころから憧れていた果樹農家への就農を決意。JAなす南に相談したところ、同年で引退を決めていた同果樹園の阿相さん、節子(さだこ)さん(84歳/写真左)夫妻と巡り会えたのです。

 

 今年4月、阿相さんの師事を仰ぐべく那須烏山に転居。JAなす南主宰の「南那須農業アカデミー」研修生一期生として経営の勉強や登録ナシ農家での実習にも取り組んでいます。

 多忙な日々ですが中村さんは「果実の成長過程が見られて楽しいです」と喜びを実感。「安全安心をモットーに、常連の皆さんにも認められる味を届けたい」と来春の独立に向けて意欲を燃やします。

 阿相さん夫妻は「やる気が仕事に現れている。この人なら任せられる」と目を細めます。