喜連川少年院は6日、在院者が育てた野菜などの販売をさくら市の道の駅きつれがわで開始した。矯正教育の一環として同少年院が道の駅に話を持ちかけ、同日、両者は協定を結んだ。同少年院は「(このような形態で)販売契約を結ぶのは、全国47少年院でも初めてのケースになるのでは」としている。
同少年院には現在、16~20歳の17人が在院する。収容の基準期間は11カ月で、在院者の特性に応じた指導が行われている。
再犯防止推進計画に基づく矯正教育は、生活指導や職業指導、教科指導など5項目。高等学校卒業程度認定試験や宇都宮高通信制課程喜連川教場として学習に力を入れているほか、農業や木工、陶芸など、専門家による技術指導も行っている。
道の駅きつれがわでは、在院者が「農薬類を一切使わず手間をかけて育てた」(同少年院)というジャガイモやニンジン、ピーマンといった野菜をはじめ、湯飲み、ティーカップなどを販売する。野菜は季節に応じて品を変え、火曜と金曜日に入荷する。
オープンしたばかりの「少年院のお野菜・やきもの」コーナーでは、早速、1袋100円のニンジンを買い求める人が見られた。
喜連川商工会で行われた調印式には、同少年院の淵上泰郎(ふちがみやすろう)院長と道の駅社長の花塚隆志(はなつかたかし)市長が出席。調印後、淵上院長は「少年院で社会復帰を目指しているという事を、多くの人に知ってもらう機会になれば」と話し、花塚市長は「こうした取り組みが、在院者の励みになればいい」と売り上げ増に期待を寄せた。