29日開幕の第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」のフライングディスク競技に、県勢最高齢の79歳の選手が出場する。栃木市岩舟町下津原、坂本邦雄(さかもとくにお)さんだ。仕事で長く同和問題に関わり、身体障害者の立場からも人権擁護や差別解消に人一倍の熱意がある。「大会が少しでも社会の障害者理解につながってほしい」との願いを込め、ディスクを投げる。
兼業農家だった47歳の時、ビール麦の収穫作業でコンバインの詰まりを取り除こうとし、右腕を巻き込まれた。その後、腕を切断せざるを得なかった。傷が塞がり、初めてシャワーを浴びようと鏡を見たときのショックは忘れない。
リハビリでは左手の箸で大豆を皿に移し、小学1年生の教材でひらがなを書いた。涙が出た。「つらかった。でも、友人が身体障害者の方と一緒に励ましてくれてね」と振り返る。
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