秋晴れの下で、パラアスリートたちの笑顔がはじけた。29日に行われた全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)の開会式。カラフルな衣装をまとった総勢約1350人による歓迎演技や、多彩なダンスが披露され、健常者も障害者も老若男女が一緒に会場を盛り上げた。多様性と共生社会へのメッセージを発信する祭典が華やかに幕を開けた。
歓迎演技「人*むすぶ*大地 人*つくる*未来~とちぎとの出会い いちご一会物語~」には、栃木県内の特別支援学校の子どもたちや就労支援施設に通う障害者ら計約50人が参加した。曲に合わせてポーズを取ったり、大きく体を動かして「いちご一会ダンス」を披露したりして、会場を沸かせた。
歓迎演技は、とちぎ国体と同様の22分のプログラム。自然豊かな栃木県で文化や産業が発展した様子を四つのシーンで表現した。
出演したのは、宇都宮市の岡本、富屋、宇都宮大共同教育学部付属の各特別支援学校の子どもたちや、小山市の就労支援施設「第2くわの実」の利用者、健康体操を楽しむ佐野市の市民団体「山田リズム体操クラブ」所属の障害者たち。歴史と文化をテーマにした「シーン2」からフィナーレにかけて登場した。
「第2くわの実」の利用者、大垣裕一(おおがきゆういち)さん(28)は演技後「みんなで踊れて楽しかった」と、充実した表情を見せた。
国体開会式に続き、栃木市出身の女優でモデルの石川恋(いしかわれん)さんと宇都宮市姿川中1年稲見諒(いなみりょう)さん(13)、同市豊郷中央小6年鈴木(すずき)ひかりさん(12)が100年後の未来から来たナビゲーターという設定で、物語の進行役を担った。