出店者を公募する県立美術館ミュージアムショップ=15日午後、宇都宮市桜4丁目

 県立美術館は15日、同館ミュージアムショップの出店者を公募すると発表した。ショップは1972年の同館開館以来、同館友の会が運営してきたが、売り上げ低迷による赤字などを理由に本年度末で運営から撤退する。同館は県のホームページなどで出店者を募り、次年度以降の運営継続を目指す。

 ミュージアムショップは同館地下1階にあり、広さ約12.2平方メートル。年4回の企画展、コレクション展など、開館日に合わせて営業し、図録や美術関連グッズなどを販売している。同館の入館者数は昨年度が約3万9千人。コロナ禍以前は年間ほぼ4万人台で推移していた。

 ショップの売り上げについて、同会の原田寛子(はらだひろこ)会長は「近年の売り上げは500万円を切り、30年前の半分程度。10年ほど前から恒常的な赤字だった」という。地元作家の小品販売など収益改善策を講じてきたが、コロナ禍や会員の減少・高齢化もあり、来年3月末で運営を停止することを今春の総会で決めた。

 出店者の受付期間は16日~12月14日。県内に事業所がある法人または個人が対象で現地見学も可。葦名尚(あしなたかし)同館副館長は「美術館の役割を理解し、一緒に盛り上げていけるような事業者が望ましい」と話す。県や同館関係者らで組織する選考委員会の評価を経て、早ければ年内にも決定したいとしている。