足尾鉱毒事件を主題に多くの作品を残した小山市出身の版画家小口一郎(こぐちいちろう)(1914~79年)の画業をたどる企画展「『二つの栃木』の架け橋 小口一郎展 足尾鉱毒事件を描く」(県立美術館、下野新聞社主催)が21日、同館で開幕する。事件を取り上げた約160枚に及ぶ連作版画3部作の全てが初めて一堂に会するのをはじめ、油彩画家を目指した若かりし頃の作品など計約300点を展示し、小口の生涯を回顧する。
小口は幼少期に親戚をたらい回しにされた末、茨城県内へでっち奉公に出された。横浜や東京で溶接や洋画の字幕を書く仕事などに就く傍ら、独学で油彩を学んだ。戦後は郷里に戻り、栃木市出身の版画家・彫刻家鈴木賢二(すずきけんじ)らが結成した日本美術会北関東支部の活動に参加し、本格的に木版画を手がけるようになった。
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