今季最強寒波が到来する中、栃木県内では新酒の寒仕込みがピークを迎えている。
小山市上泉の杉田酒造では25日、酒米のふかし作業などを行った。酒米が蒸し上がった午前8時半、釜場は甘い香りのする湯気に包まれた。3人の蔵人が熱々の酒米を手際よくさらしの上に広げ、冷ましていった。その後、こうじ菌を振りかけ、タンクに詰めるなどして1〜2カ月後に酒を搾る。
この日の市内の最低気温は氷点下4度。今回の作業は軽やかな味わいの「雄東純米吟醸ゆめささら」と、飲み応えのある「生酛(きもと)造り鴎樹(おうじゅ)」用の酒米計55キロ分で、南部杜氏(とうじ)でもある杉田泰教(すぎたひろゆき)専務(46)は「寒いと発酵が緩やかになり、おいしいお酒ができる。晩酌で手に取ってほしい」と話した。