古田土さんの作品「あの日見た希望の空」(第82回全国教育美術展)

小池浩行教諭

古田土さんの作品「あの日見た希望の空」(第82回全国教育美術展) 小池浩行教諭

 【茂木】本年度の「第82回全国教育美術展」(教育美術振興会主催)で、茂木中が全国唯一となる全国学校賞の「教育美術特賞」に輝いた。同校は昨年度、文部科学大臣賞を受賞したことに加え、優れた絵画を2年続けて多数出品したことが評価された。小さな町の中学校ながら、生徒一人一人の個性を伸ばす小池浩行(こいけひろゆき)教諭(58)の指導が全国トップレベルの好成績につながっている。

 同展は1922年に始まった、国内で最も歴史と伝統のある子どもの絵の展覧会。全国学校賞は優れた作品を数多く出品した学校に贈られる。

 今回は全国2364校から10万4926点の応募があった。同校は美術部員25人が応募し、県審査を経て8点が全国審査に進んだ。最上位の個人賞「特選」となった2317点の中には、2年古田土明実花(こだとあみか)さん(14)の「あの日見た希望の空」など6点が入り、同校の水準の高さを示した。

 同校は文科大臣賞を受賞した昨年も6点が特選に入った。内閣総理大臣賞や文科大臣賞など四つの学校賞に今年も該当する好成績だ。しかし、4賞は2年連続で授与しない定めがあるため、別枠の教育美術特賞が贈られた。

 同展事務局は「2年続けてここまで上がってくるというのは教師の指導がいいということ」と説明した。

 同校美術部には66人が在籍しており、顧問の小池教諭が指導する。小池教諭は「生徒の表現したいものを素直に表現できる指導を心がけている」と言う。

 「生徒たちはわくわくしながら楽しそうにやっている」と喜ぶ小池教諭。さまざまな素材を組み合わせ、難しい空間表現に成功した古田土さんの作品を例に、「表現のバリエーションが昨年よりさらに広がった」と部員の成長を感じている。