就農一年、元デザイナーイチゴ初収穫に感動

 帽子から長靴まで緑色。ビニールハウス一面に茂る真緑の葉に溶け込み、たわわに実る真っ赤な「とちあいか」との対比を楽しむかのような佐野市の佐々木義晴さん(45)は就農一年目。初の収穫期の忙しさに追われています。

 東京都出身の佐々木さんは、約10年前まで都心でグラフィックデザイナーとして活躍。多忙な日々の中、佐野市にある妻章子さんの実家を訪れては土の香りや、星あかりに癒やされていたそうです。

 

 会社が転機を迎えたのを機に2011年に現在の地に移住。10年ほど会社員として働いていましたが、耕作放棄地や農業従事者の高齢化に危機を感じて就農を決意しました。

 県農業大学校で基礎を学んだ後、「心機一転。始めるなら新品種を」と先輩イチゴ農家の下で一年間技術を習得。昨春、全長50㍍のハウス7棟を構え、独立を果たしました。

 

 JAのいちご部会の先輩から指導を仰いだり、スマートフォンで生育環境を管理するDXも導入するなど一年目の不安を打ち消すように作業に励む中、「白い花がふわぁと咲いた時は最高でした」。共に汗を流す章子さん、7歳と5歳の息子たちと喜びを分かち合いました。

 「忙しくても家族の温もりを感じられる。ここに住んで良かった」 佐々木さんはSNSに就農の軌跡を綴ってきました。今後、どのような未来がデザインされていくのか注目しましょう。