足尾銅山を経営した古河機械金属(東京都千代田区、中戸川稔(なかとがわみのる)社長)などが共同で設立した一般社団法人古河市兵衛(ふるかわいちべえ)記念センターは13日、日光市足尾町掛水に「足尾銅山記念館」を建設すると発表した。同社創業150周年の2025年5月に開館する予定。
記念館は木造2階建て、延べ面積約1245平方メートル。総工費は非公開。大正期に銅山を統括した「足尾鉱業所」を元の場所に復元し、「足尾の光と陰」や銅山の歴史などを一般向けに展示するほか、環境教育などの研修の場としての活用も構想しているという。
同センターによると、鉱業所は東京駅や日本銀行本店を手がけた建築家辰野金吾(たつのきんご)らによる「辰野葛西(たつのかさい)建築事務所」が設計し1912年に竣工(しゅんこう)した。
その後足利市が建物を購入、移築して市役所として使用後、昭和40年代に取り壊された。鉱業所跡地はテニスコートなどとして使われていた。
足尾銅山の歴史を伝える施設としては現在、足尾地域に地元住民らが中心となって立ち上げ、2019年に古河機械金属が運営を引き継いだ歴史館がある。