
「イチゴ農家のレジェンド(偉大な先輩)達が集まる集荷所に行くことが楽しくて仕方ない」と話すのは、就農2年目を迎える斉藤康人さん。「皆さんとにかくかっこいい。惜しみなく、なんでも教えてくれるんですよ。毎日一つずつでも吸収していきたい。“生きた学び”がここにある。本当にありがたいです」。熟練農家の傍らで生き生きと会話をする康人さんの姿が目に浮かびます。

とび職人として働きながら将来を模索していた康人さんの心を捉えたのは「いちご農家研修生募集」の広告でした。生産量“日本一”の文字に「これだ!」と直感したそうです。

JAから紹介され今でも師匠と慕うアグレッシブなイチゴ農家の先輩の下で1年間の研修を終え、昨年4月に就農。生前コメ農家だった祖父の土地を父から借り受け、友人達の協力を得てイチゴハウス6棟、育苗ハウス2棟を建設し、1万3000株の「とちおとめ」の育苗から始めました。現在は7人の従業員と共に、多いときには1日75㌔㌘を収穫しています。「就農して人生が変わった。人のありがたさ、仕事の楽しさを実感しています。将来的には6次産業化まで視野に“当たり前”に捉われない農業を模索しつつ、もっともっとおいしいイチゴを作っていきたい」。今後はさらに生産量を増やそうと、「とちあいか」の栽培にも挑戦。日々レベルアップに向け励んでいます。