自動車ブレーキ部品製造のキリウ(足利市小俣南町、武岡一満(たけおかかずみつ)社長)は18日、本社で新鋳造工場の竣工(しゅんこう)式を行った。電気炉の最新鋳造ラインを導入し、生産性を高め、二酸化炭素(CO2)排出量の30%削減を図る。
本社の旧鋳造工場は溶銑(ようせん)炉で、くず鉄を溶解して鋳鉄を製造していた。操業から約50年がたち、老朽化が著しかったため、製品の安定供給に向け新工場を整備した。総事業費は約50億円。
新工場は延べ床面積7275平方メートル。電気炉4基を備え、溶かした鋳鉄を運ぶ大型の鍋を従来のようにつり上げず、床上で移動させる。鋳型への注湯や製品積み替えの作業を自動化し、各工程に品質モニタリングシステムを備えるなど、生産性を高め、コスト低減を図る。生産能力は月産2200トン。
また、取引先の要望に応じて材質を変更する作業を容易にしたほか、世界8カ国に生産拠点を持つ同社グループのマザー工場として、試作から量産化までの技術を各拠点に円滑に移転できるようにした。
竣工式で武岡社長は「品質面、コスト面で競争力を高め、加えてCO2の排出量を削減し、環境負荷軽減の重要な役割を担っていく」とあいさつした。