【鹿沼】市内在住の大学生4人でつくるグループ「かぬま便」が若者目線でのまちづくりに取り組んでいる。市の魅力を発信するインスタグラムは先日、当面の目標としていたフォロワー千人を突破。市特産品などを紹介する絵本も作製し、市内の小学校への寄贈を始めた。リーダーを務める大学4年の千徳渉真(せんとくしょうま)さん(21)は「かぬま便が、若い鹿沼出身・在住者のよりどころとして定着するとうれしい」と若者が輝くふるさとを将来像に描いている。
「かぬま便」のメンバーは千徳さんのほか、大学4年の高橋里歩(たかはしりほ)さん(21)、大学3年の江俣遥香(えまたはるか)さん(20)と中山和馬(なかやまかずま)さん(21)。4人とも市の成人式に当たる「20祭」の実行委員で「式典だけで活動が終わるのはもったない。若い人たちに鹿沼の魅力を発信したい」と2021年12月にグループを結成、インスタグラムの配信を始めた。
配信は「買う」「遊ぶ」「食べる」の三つのテーマで、市内のスポットを紹介。それぞれが学校生活、サークル活動、アルバイトの合間に取材を進め、週1回のペースで配信を続けている。反応は上々で、フォロワーは当初の目標だった千人を超えた。中山さんは「大学の友人や鹿沼と縁がなかった人にも伝わっているのがうれしい」と話す。
また子ども向けの取り組みとして、市の特産品を分かりやすく紹介する絵本「さつきちゃんのかぬま食堂」を市の補助を受けて48冊製作。本年度に市内の全小学校に寄贈する予定で、教育関連の進路を目指している江俣さんは「子どもたちに鹿沼の魅力を伝えることは大切」と意義を語る。
4人は大学卒業までに、新たなメンバーを募り「かぬま便」の活動を継続できる環境を整えたい考え。高橋さんは「ようやく認知されてきたので、なくなるのはさみしい。仲間を増やして活動も進化させたい」と新たな活力に期待している。