県高校総体は12日、宇都宮市のユウケイ武道館ほかで剣道、陸上などを行った。
剣道は男女団体を行い、男子は文星芸大付が17年ぶりの頂点。決勝は代表戦の末、8連覇中の佐野日大を破った。女子は小山が3連覇。決勝は前回と同じく矢板中央との顔合わせとなり、3-1で退けた。
陸上は男子1500メートルの大島福(おおしまふく)(佐野日大)が決勝で大会記録となる3分50秒69をマークし初優勝。女子400メートル決勝は長島結衣(ながしまゆい)(真岡女)が57秒64で2年ぶりの頂点に立った。
雪辱果たした文星付 剣道男子団体
剣道男子団体は白熱の代表戦を制した文星芸大付が17年ぶりの頂点。試合後は互いにグータッチで喜びをかみしめた選手たち。山中楓大(やまなかふうた)主将も「(1月の)全国選抜予選決勝で負けた相手。雪辱を果たせてうれしい」と興奮を隠さなかった。
エースの意地だった。勝った方が優勝という大将戦に臨んだ山中。開始早々に「狙っていた」という技ありのコテで1本を奪った。「過去の対戦から、メン以外の部分で勝機があるかなと思っていた」と冷静さも光った。
しかし8連覇中の佐野日大も譲らない。一瞬の隙から追い付かれ、決着の行方は代表戦へ。チームが命運を託したのは山中。「いけるか」。富田健作(とみたけんさく)監督の言葉に応え、再び竹刀を握った山中。そして1分過ぎ、鮮やかにメンからの返しドウを決めて1本。普段は謙虚な本人も「納得」と語る文句なしの一撃だった。
2分け1敗の劣勢で迎えた副将戦は真鍋翔吾(まなべしょうご)が1本勝ち。しっかりと大将戦までつなぎ、「厳しい戦いは全員が分かっていた。信じ合った結果」と振り返った真鍋。チームは鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)のお守りも懐に忍ばせ、固い絆でつながった。
近年は県4強止まりだったが、ようやく長いトンネルを抜けた。「この代は力がある」と指揮官。勢いそのままに、関東大会でさらなる躍進を目指す。