【真岡】物井の国指定史跡「桜町陣屋跡」にある二宮尊徳(にのみやそんとく)ゆかりの田んぼ「報徳田」で28日、親子らが田植えを体験した。今年は尊徳が桜町陣屋に移住して200年の節目に当たり、参加者は尊徳の教えに思いをはせながら、昔ながらの作業に汗を流した。
尊徳が米作りを行っていた水田を発掘、復元したのが報徳田で、約200人が集まった。列になって一定の間隔を保ちながら苗を丁寧に手で植えていき、子どもたちは泥に手足を取られるのも楽しみながら夢中で取り組んでいた。
真岡北陵高で米作りなどを学んでいる生徒30人以上が、伝統的な田植え姿でボランティアとして子どもたちをサポートした。
久下田西、谷畑美智子(やばたみちこ)さん(69)と参加した孫の茨城県つくば市東2丁目、川崎里緒(かわさきりお)さん(9)は「お尻からこけたけど、高校生が優しく教えてくれた。ご飯が大好きなので、おいしいお米に育ってほしい」と収穫を待ちわびた。
同校3年田村真也(たむらしんや)さん(17)は「小さい子はみんな好奇心旺盛、一生懸命で手伝っていて楽しかったです」と笑顔を見せた。
田植え体験は17回目で「史跡桜町陣屋跡の保存と活用を考える会」が企画している。有機、無農薬で育て、7月に除草、9月に稲刈り、11月に収穫祭を行う。尊徳は1823年に桜町陣屋に赴任し、農村復興に当たった。