芳賀町の人口は4月1日現在、1万4828人(県人口推計)で、100年前とほぼ同数になった。
1889年の町村制施行で、現在の町域に祖母井(うばがい)と南高根沢、水橋の3村が誕生した。1902年の人口は計1万2969人。その後祖母井村は町となり、50年に人口は計2万677人とピークを迎えた。
芳賀町は54年の3町村合併によって誕生した。「芳賀町の歴史」によると、町名案は複数あったものの、芳賀郡の中心になろうとして芳賀町に決まった。
高度経済成長期に入ると、農村人口が都市部へ流出した。「芳賀町史」には、55~75年の20年間で1次産業の従事者数が半減したことが記されており、産業構造が急激に変容したことがうかがえる。
ところが70~90年には再び増加に転じた。芳賀・高根沢工業団地や芳賀工業団地が造成されたことが要因とみられる。
90年以降は緩やかな減少が続く。町生涯学習課の仲尾周(なかおまこと)課長(51)は「減少が緩やかなのは町内から通える範囲に働く場所が多いためではないか」と分析する。
人口動態は現在、2016年度から7年連続で転入が転出を上回る「社会増」となっている。8月に開業する次世代型路面電車(LRT)をさらなる発展の契機にできるか注目される。