【佐野】葛生東1丁目の吉澤記念美術館で、春から夏にかけての生き物や生活をテーマにした企画展「春夏ライフ-絵画・工芸で親しむ『暮らし』と『いのち』」が開かれている。25日まで。
江戸時代から現代にかけて制作された絵画や陶磁器などの工芸作品を計47点展示している。
昭和を代表する日本画家東山魁夷(ひがしやまかいい)の「朝雲」や、田渕俊夫(たぶちとしお)さんの「柳陰(りゅういん)」など、涼しげな初夏の光景を描いた絵画の数々が展示室を彩っている。
広島県出身の陶芸家藤井隆之(ふじいたかゆき)さんによる「吹染蓮図大皿(ふきぞめはすずおおざら)」は、ハスの葉に落ちる花びらや光る朝露を表現した一作。「吹染金魚図大壺(ふきぞめきんぎょずおおつぼ)」には優雅に泳ぐ色鮮やかな金魚を描いた。会場にはこうした藤井さんの陶磁器をはじめ、透明感と躍動感のある工芸作品も並ぶ。
同館の末武(すえたけ)さとみ学芸員は「『暮らし』と『生命』という二つの意味を持つ企画展名の『ライフ』にちなんだ、季節を感じさせる絵画や工芸作品を楽しんでもらえたら」と来場を呼びかけている。
月曜休館。観覧料は一般520円、大学生以下無料。県民の日(15日)を記念し、10日は無料開放。(問)同館0283・86・2008。