黒羽高卒の津軽三味線奏者棚瀨敬太(たなせけいた)さん(20)は22日までに、大田原市黒羽地区有志らによる後援会の支援を受け、初アルバムのCDを発売した。地元などの演奏活動に力を注いでおり、より多くに聞いてもらうためだ。7月8日に同市の那須野が原ハーモニーホールで発売記念演奏会が開かれる。
小学2年で三味線を始めた棚瀨さんは全国的な大会で数々の優秀な成績を収め、5月の津軽三味線世界大会の個人A級でも準優勝している。後援会は約2年前、「日本を代表する奏者に育ってほしい」と発足した。那須塩原市出身で、現在は川崎市在住。
アルバムは、演奏会で「CDはないのか」と尋ねられることもあり、後援会発足や各賞受賞を記念し千枚制作した。タイトルは「流音」(ROUTE=ルート)。自らの歩みや未来への道筋の意味を含み、奏者としてまい進する決意も込めた。
収録されているのは、自身の思い入れのある津軽よされ節、津軽あいや節など全10曲。例えば、よされ節について棚瀨さんは「かつて飢饉(ききん)で人が亡くなる世は去れとの意味もあった。新型コロナウイルス禍が去ってほしいとの願いを込めて演奏した」と話す。さらに「CDで演奏を楽しんでほしい」と言う。
記念演奏会を主催する後援会の高崎和夫(たかさきかずお)会長(75)は「これを一つの機会に一層羽ばたいてほしい」と期待した。
CDは2千円。演奏会は午後3時から。前売り千円。CD販売については(問)棚瀨恵(たなせめぐみ)さん090・2480・8998(午後5時以降)。演奏会は(問)後援会の高崎真美(たかさきまさみ)さん090・2176・4564。