栃木県教委は4日、全日制高校の統合などを盛り込んだ第3期県立高校再編前期実行計画案を発表した。時期は2024~29年度の6年間で、職業系専門高校を中心に統合し、複数の専門学科を併置した「未来共創型専門高校(仮称)」へ再編する。定時制と通信制を持つ単位制の「フレックス・ハイスクール」の設置なども進め、魅力ある学校づくりを目指す。
計画案は急激な少子化などに対応するため、有識者会議の提言を踏まえ策定した。全日制の統合対象は12校で、計5校にする。27年度に鹿沼南と鹿沼商工の2校、28年度に栃木農業と栃木工業、栃木商業の3校、29年度に真岡北陵と真岡工業の2校、那須拓陽、那須清峰の2校を統合する。未来共創型専門高校へ再編し、幅広い視野で学べる教育課程を目指す。
今市、今市工業、日光明峰は27年度から段階的に統合し、総合学科高としてスポーツや福祉などに関する系列を新たに導入する。
フレックス・ハイスクールは県央、県北に1校ずつ設置。県央は宇都宮清陵高の全日制課程の募集を停止し、27年度に同スクールへ再編。県北は那須拓陽の校舎を使用し、29年度に新設する。現在、全日制県立高校は58校あるが、計画案通りに統合・再編が進むと29年度には50校になる。
宇都宮東と付属中、小山は、6年間を一つの学校として継続する「中等教育学校」へ再編する。佐野、矢板東の併設型中高一貫校には、進学に重点を置く単位制を導入する。
1学年3学級以下の「小規模特例校」制度は維持し、24年度から益子芳星は3学級、馬頭、黒羽、那須は2学級特例校とする。矢板高は機械科と電子科を統合し、工業に関する学科に改編する。
計画案に男女別学校の共学化は含まれなかったが、第3期後期計画(30~35年度)では盛り込まれる可能性があるという。
22日~8月6日、県内8カ所で地区別説明会を開催。パブリックコメントを同21日まで実施し、年内に計画を決定する予定。4日の定例記者会見で阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は「子どもの数が減るが、学校規模の縮小で終わらせず、多様化する社会の中で生きていく力を養えるような未来志向の学びの場をつくっていきたい」と述べた。