板倉監督(左)の話に耳を傾ける宇都宮中央の部員ら。頭髪の取り決めはなく、生徒の判断に任せている=同高

 高校野球部員の頭髪について「丸刈り」と定めている学校は本県の62校のうち15校で、45校だった2018年度の前回調査から30校減少したことが5日、日本高校野球連盟(日本高野連)が全国の加盟校を対象に行った「高校野球実態調査」で分かった。部員数は「10~19人」の27・4%が最多。08年度は「30~39人」が最多で、減少傾向が浮き彫りとなった。

 調査は日本高野連が全国の加盟校を対象に5年ごとに実施。本年度の調査は今年4月以降に全国3818校の加盟校を対象に行った。99・2%に相当する3788校の監督や部長から回答を得た。本県は加盟する全62校が回答した。

 部員の頭髪について「特に取り決めず、長髪も可」としたのが66・1%(41校)、「丸刈り」24・2%(15校)、「スポーツ刈り」9・7%(6校)だった。丸刈りと定めている学校は全国でも26・4%にとどまり、前回の76・8%から大幅に減った。このほか、部内で禁止している食べ物は「ない」が90・3%(56校)と、前回調査から18・9%(9校)増えた。

 部員数は減少傾向が続く。今回は部員数1桁の学校が7校あり、前回調査から3校増えた。監督の悩みとして最も多かったのは「部員不足」の53・2%(33校)で、過去3回の調査で最多だった「精神・心理面の指導」を9・7ポイント上回った。

 過去3回の調査で「4時間未満」が最多だった平日の練習時間。今回は「3時間未満」が54・8%(34校)と最も多かった。休日練習については、前回34・9%(22校)で最多だった「7時間以上」が、今回は16・1%(10校)に減少した。

 「他の競技が野球の人気を上回ると思うか」との質問では「上回る可能性がある」が最多の53・2%で、「既に上回っている」が35・5%。08年の調査で51・6%と最多だった「思わない」はわずか4・8%だった。

 県高校野球連盟の神部知重(かんべとしかず)理事長は「競技の選択肢が増え、野球の面白さを知ってもらう必要性が高まっている。その中で頭髪などのルールがあると、生徒にアプローチする上で高い壁になりやすい」と話した。