火災後、2004年に再建された精練棟=8日午前9時40分、那須塩原市上中野

 那須塩原市(旧黒磯市)上中野のブリヂストン栃木工場で2003年9月に発生した大規模火災は8日、発生から丸20年となった。鉄筋コンクリート3階建ての「バンバリー棟」(精練棟)の約4万平方メートルを全焼したほか、タイヤ約16万5千本を焼き、鎮火まで46時間半を要した。「火が消えず先が見えなかった」「危険物に引火する恐怖があった」。消火活動に当たった同市の消防関係者はそう当時を振り返った。火災から学んだ想定外に対応する大切さを胸に刻んでいる。

 20年前の昼過ぎ。同市消防団の相馬秀俊(そうまひでとし)さん(58)と菊地秀彦(きくちひでひこ)さん(56)はそれぞれ、勤務先の会社で出動要請を受けた。工場に向かう中、巨大な黒煙を目にし、相馬さんは「長期戦を覚悟した」。