【大田原】県北地域医療の中核の一翼を担う那須中央病院(下石上)は新病棟を完成させ10日、記念式典を行った。外来など大半の医療機能を新病棟に移し、医療サービスの向上を図る。超高齢社会の中、整形外科部門を軸に急性期から在宅復帰までを支える機能を強め、「入院透析」の受け入れ態勢も増強する。
移転作業のため15~18日の外来診療を休み、19日、新病棟での診療を始める。
新病棟整備は2022年に迎えた創立40周年の記念事業だ。鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積約7100平方メートル。病院全体では既存施設の改修などを経て、現状の1・4倍になる見込みだ。
新病棟は、動線を分かりやすくし、患者が「迷わない病院」とした。全ての外来、手術室などの機能を既存施設から移す。
急性期病床は6床減の40床とする一方、回復期に患者の在宅復帰を担う地域包括ケア病床は8床増の56床とし、療養病床73床は維持する。需要が高まっている入院による人工透析は30床とし、倍増。透析が必要な患者が骨折などで入院が必要な場合にも、より柔軟に対応できるようにする。
リハビリテーション室は開放的な空間を確保し、機能を充実させた。入浴や和室での生活に対応した動作訓練なども可能だ。
10日に催された完成記念の式典、内覧会に地元首長、医療関係者ら約30人が出席した。
臼井健夫(うすいたけお)理事長(65)は取材に「手術などからリハビリ、在宅復帰に向けた流れがスムーズになり、地域により貢献できる。従業員の働きやすさの向上にも努める。それが医療サービスの向上につながる」と述べた。