まさに“ごちそう”だ。分厚く切られた中トロやサーモンなどのにぎり5貫に巻物、豚角煮に天ぷら、茶わん蒸し-。迷い箸は不作法だが、どれから食べるか悩んでしまう。
新鮮な魚介類と地元の野菜を使った創作和食料理店の平日限定ランチメニュー「江戸ッ子御膳」は、盛りだくさんのお得なセットだ。
刺し身やすしネタは「鮮度が命」と、料理長の宮本博之(みやもとひろゆき)さん(47)は語る。ほぼ毎日行う仕入れに加え、全国各地の漁師から産地直送で、新鮮な魚をそろえている。
豚角煮も侮れない。豚肉をおからと一緒に下ゆでして、ホロッとした食感を実現。味付けには、たまり醤油(しょうゆ)を使うことでコクのある味わいに仕上げている。
前身の「寿司割烹(すしかっぽう)江戸ッ子」の時代から、地元に愛されて約40年。店主で父の文男(ふみお)さん(72)は「限界は決めず最後までやり続けたい」と笑う。
博之さんは「傘寿や卒寿などのお祝いで来店されるお客さまも多く、『こんなにおいしいものを食べられてよかった』と言ってもらえるとうれしい」と話す。「伝統を守りつつ新しい料理にも挑戦していきたい」と意気込む。
▼メモ 江戸ッ子御膳は2700円(平日ランチ限定)▽大田原市蛭田1554の1▽営業時間 午前11時半~午後2時、午後5~9時半(いずれもラストオーダーは30分前、電話予約推奨)▽定休日 火曜(毎月2回連休あり)▽(問)0287・98・3478。