鹿沼市内最大の祭典「鹿沼秋まつり」を翌日に控えた6日夜、今宮神社の氏子町では前夜祭に当たる「宵まつり」が行われた。おはやしやかけ声が響く会所には、はんてん姿の若衆らが詰めかけ、景気づけの酒を酌み交わした。台風や新型コロナウイルス禍で雌伏の時を過ごした各町。5年ぶりの本番を待ちきれない熱気であふれた。
全34町の中で最も規模の小さい下横町。世帯数は10世帯だが、つてをたどって呼びかけた宵まつりには50人以上が集まった。
盟友でもある楡木町の鹿友囃子連(ろくゆうはやしれん)が勇壮な音色を奏でる中、屋台収蔵庫前で自慢の彫刻屋台が披露されると熱気は一段と高まった。下横町の岩井正明(いわいまさあき)若衆頭(54)は「やっと祭りを楽しめる。市民一丸となって盛り上げたい」と意気込んだ。
下横町から400メートルほど東に位置する東末広町も屋台を繰り出した。各町とも翌日に向けボルテージを上げ、市中心部は祭りのムードに包まれていた。
鹿沼秋まつりの開催期間は、7、8日の2日間。7日は、今宮町の今宮神社で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」を行う。午後0時半から、氏子町が計26台の屋台を境内に引き入れる「繰り込み」と、境内から引き出す「繰り出し」を行う。午後6時半からは各町でおはやしの競演「ぶっつけ」を披露する。