人間国宝の野村万作(のむらまんさく)を中心とする「狂言 万作の会」(とちぎ未来づくり財団主催、下野新聞社共催、県謡曲連盟協力)が来年2月2日午後6時半から、県総合文化センターメインホールの特設能舞台で開かれる。同センター狂言シリーズは第27弾を迎えた。
今回の狂言は「因幡堂(いなばどう)」「小傘(こがらかさ)」。万作、野村萬斎(まんさい)、野村裕基(ゆうき)の3世代が出演する。冒頭に狂言鑑賞講座として解説がある。
「因幡堂」は万作が出演。大酒飲みの妻に離縁状を送りつけ、新しい妻を得ようと因幡堂の薬師如来へ願掛けに訪れた夫と、腹を立て偽のお告げをする妻。庶民の因幡堂信仰がうかがわれる狂言で、たくましくわわしい(口うるさい)妻と気弱な夫の対比が笑いを誘う。
萬斎、裕基親子が出演する「小傘」は、僧と新発意(しんぽち)(出家間もない修行中の僧)に間違えられた主従が、賭場で聞き覚えた小歌をお経のように唱えて参詣人をごまかそうとする話。のどかな中世の様子が浮かぶ曲で、にわか僧侶が傘の小歌をお経のように唱えるところが聞き所の一つ。ほかに小舞「海道下り」。
入場料金は全席指定S席5千円、A席4千円、B席3千円(学生、車椅子席あり)。27日午前10時発売開始。同センタープレイガイドで取り扱う。(問)028・643・1013。