夕方、西の空に謎の光が…。
「使えるか分からないけど動画を撮った」。2日夕、デジタル報道部に下野新聞社内の中堅社員から興奮気味に電話がかかってきた。通話後に届いたメールのタイトルには「隕石(いんせき)?」の文字。添付された動画を再生してみると、オレンジ色の楕円(だえん)が、ゆっくりと地上方面に向かっていく映像が映っていた。一体何だろう?
県子ども総合科学館天文課職員の原秀夫(はらひでお)さんに、写真と動画を見てもらった。結論は「飛行時間が長く続いており、火球(かきゅう)などではなく、飛行機の可能性が高いように思います」。どうやらネズミを探すため、大山を鳴り動かしてしまったようだ。
原さんによると、とても明るい流星は火球と呼ばれる。燃え尽きることなく地上に落下し、隕石になることもあるそうだが「その場合、もっと飛行時間は短く、直線的に発光する様子が観察される場合が多い」(原さん)そうだ。確かに動画の発光体と特徴は違う。
調べると、インターネット上にも夕方、西の空で飛行機とされる物体を目撃した情報が複数載せられており、いずれも今回の動画や画像と似た火の球のような見た目をしている。
情報提供者の社員には、「調べた結果、飛行機の可能性が高い」と伝えた。すると、「えー」と驚きの声を上げた後、「小学生の息子は『信じません』と言っている」と答えが返ってきた。
夕方、西の空にゆっくりとした火の球を見たら、それは飛行機かもしれない。ただロマンをどこまで求めるかは、それぞれの自由だ。