那須町で2017年3月、登山講習会中だった大田原高山岳部の生徒7人と教諭1人が死亡した雪崩事故を受け、ボランティア団体の雪崩事故防止研究会(札幌市)と宇都宮大などは25日、同大峰キャンパスで、「雪崩から身を守るために」をテーマに講演会を開いた。8人と同じ班で重傷を負った山岳部OBの内田志春(うちだもとはる)さん(24)が事故当時の状況や心境の変化を明かした。事故から6年8カ月。「事故を風化させることなく、山の事故で亡くなる人を一人でも減らしたい」と訴えた。遺族も登壇し、愛息への思いなどを涙ながらに語った。
内田さんは大学院で災害や防災などを専攻している。事故当時、雪崩に巻き込まれ、内臓出血などで2週間入院した。自身の記憶が薄れ、事故の風化を危惧し、講演での登壇を決めた。
事故当日の雪上歩行訓練中、内田さんは班の先頭付近にいた。引率教諭に許可を取りながら、雪の斜面を登っていったという。
上部斜面で雪崩に巻き込まれた。顔と右腕以外が雪に埋まり、「助けて」と何度も叫んだ。「だれも助けてくれず、救出までの40分が1、2時間に感じた。苦しかった」と振り返った。
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