動画内で体を張って犯人役を演じるのは、同社の佐野仗侊(さのたけみつ)社長(52)。SNS上では、「社長をやっつけられていいな」「都合良くコテンパンにしている」「社長自らやってくれるなんていい会社だな」などのコメントが寄せられ、製品同様に人気を集めている。

とはいえ優秀な自社製品に制圧されるのは「やっぱり怖い」(佐野社長)そう。安全を届けるための動画で、自らの安全は犠牲にできない。ケガをしない秘訣(ひけつ)は「高校の時に柔道の先生に気に入られ、3年間何故か受け身だけさせられて磨いた技」とユーモアたっぷりに教えてくれた。
もちろん、動画に込めた願いは真剣そのもの。「弊社の動画をきっかけに、防犯訓練やシミュレーションをしようと思ってくれたらうれしい」と熱っぽく語った。
#企業公式キャラ博
— 佐野機工|進化系防犯グッズ+暮らしの銅雑貨の会社 (@sano_kiko) December 6, 2023
▼なまえ
しゃちょう
▼かいしゃめい
さのきこう
▼とくちょう
ふしんしゃやくをやらされがち
ものづくりをがんばっている
うけみがじょうず
とてもやさしい#ケルベロス3式で巻かれた社長 pic.twitter.com/aIYlcuHsnq
同社のXでは、佐野社長がしっかりと拘束された写真もユーモラスな紹介文とともに投稿されている。SNS担当者は「まだ動画で紹介していない商品もある。『犯人役にもっと暴れてほしい』といった声もあるので、今後は社長にもっと演技力を発揮してもらい、よい動画を作りたい」と意気込んでいる。
防犯関連商品、とりわけ、さすまたへの注目度は急上昇している。きっかけは、11月26日に東京都台東区上野の貴金属店で起きた強盗未遂事件。店員が、さすまたを使って容疑者を撃退した映像がテレビなどで話題となった。

防犯グッズを販売する同社にも製品の問い合わせが急増しているという。警察庁長官賞を受賞し、佐野社長が体を張って安全性や抜群の性能を確認している自社製品。佐野社長は取り扱いについて「過剰防衛で加害者になってしまったらすごく悲しいので、正しい利用方法でうまく活用してほしい」と話していた。