県教委は9日、2024年度に実施する公立学校教員採用試験から、常勤講師などの経験者に対する特別選考を新設すると発表した。受験者の負担軽減が狙いで、直近3年間で通算1年以上の勤務経験があれば、1次試験で一般教養試験を免除する。
特別選考は県内の公立学校か国立大付属学校で常勤講師など(非常勤講師を除く)の経験がある人が対象。仕事で忙しい受験者に配慮した形で、募集する全ての区分、教科、科目で実施する。
また、2次試験の内容を変更し、面接試験の集団討論を廃止して2種類の個人面接を実施する。作文は小中学校で廃止し、高校・特別支援学校では論作文に変更する。
県教委によると、多数の受験者を一度に審査する集団面接では、1人の発言量が偏るなどの課題があった。個人面接を充実させてより人物重視の採用とするほか、生徒への論文指導がある高校教諭志望者らには論作文を課し、論理力をみる。
教員のなり手不足が深刻化する中、県教委は24年度の採用試験から大学3年生でも受験できる特別選考を新設する方針をすでに示している。試験変更について担当者は「志願者を増やし優秀な人材を確保したい」と話している。