【大田原】大田原高で15日、心身を鍛錬し不撓(ふとう)不屈の精神力を養う伝統行事「寒稽古」が始まった。全校生徒570人のうち希望者443人が19日まで5日間、約7キロの耐寒マラソンに挑戦する。
質素堅実を校訓とする同校の「85キロ強歩」と並ぶ伝統行事。生徒たちは日が昇る前の薄暗い校庭に続々と集合した。
開始前に君島芳一(きみじまよしひと)校長が「寒いよな。走って温まれ!」と力強くエールを送った後、午前6時半の合図とともに一斉にスタート。冷たい風が吹く中、学校敷地内に設けた約1キロの周回コースを計7周、懸命に走った。
スーパーサイエンスクラブ(SSC)数学班の3年渡辺康太郎(わたなべこうたろう)さん(17)は30分台前半でゴール。「全日程で野球部よりも早く走りたい」と笑顔をみせた。1年西脇(にしわき)えんぞさん(16)は「伝統の寒稽古に参加することが入学理由の一つ。想像よりつらかったが、1週間気持ちよく走り切りたい」と汗を拭った。
最終日の19日は、大田原税務署前や乃木神社前などを通る「ぽっぽ通りコース」を走る。