今回はとちぎ子ども自然体験活動ネットワークの加盟団体から、とちぎYMCAの平山雄大(ひらやまたけひろ)さん、県立なす高原自然の家の池田晃裕(いけだあきひろ)さんに「公益財団法人としての自然体験活動の取り組み」についてうかがいます。(聞き手 同ネットワーク共同代表・真山高士(さなやまたかし))
-まず各団体の特徴を教えてください。
平山 とちぎYMCAグループの公益財団法人として、自然体験活動をしています。全人育成を目的に、子どもたちがより良く成長するための手助けをしています。活動は日帰りから長期キャンプまでさまざま。幼稚園と一緒に活動したり、学童に訪問して野外活動を提供したりしています。
池田 茶臼岳を背景に、那須野ケ原を一望できる社会教育施設です。恵まれた自然環境の中で、日常はできない自然の中での活動や、平地では見られない生き物や植物と出合えることも魅力です。年間約300の団体が利用し、宿泊、日帰りとも可能です。
-活動で大切にしていることは。
平山 非認知能力や子どもたちが生きる上で必要な力を身に付け「導く」こと、他者との生活の中でどう問題を解決するのかなどの生きる力を「強める」ことを重視しています。

池田 学校だとネットで調べるなど間接的な体験が中心ですが、なす高原自然の家では直接的な体験が多く学ぶ意欲も高まるようです。また活動を通して自主性や社会性を身に付ける機会を大切にしています。
-印象に残っているエピソードを教えてください。
平山 夏のキャンプで最初は心を開くことができなかった子どもが、体験を通じてだんだん楽しくなり、最終日にはリーダーとなじんでいました。その様子を絵日記に書いてくれたようで、体験が心に響いたことを感じられました。
池田 オリエンテーリングの中で子どもたちが虫や木の実などを見つけており、直接体験する意義があると実感しました。冬の親子プログラムでは、保護者が「子どもが雪の中で独創性を発揮して遊んでいるのが印象的だった」と話し、親も知らない子どもの一面を見る機会になったことがうれしかったです。

-今後の展望をお聞かせください。
平山 さまざまな事情で参加できない子にも参加してもらえるよう、YMCA全体として活動を広げる必要があると考えています。
池田 地域の関係機関や団体と連携してプログラムや主催事業を改善し、コロナ禍で減った子どもたちの自然体験活動を復活させたいです。

平山雄大(ひらやま・たけひろ)さん 白鴎大に在学中、ボランティアリーダーとしてとちぎYMCAに関わる。幼稚園教諭を経て、とちぎYMCAに転職。体育講師、野外教育プログラム担当を経て現在はアフタースクール事業部(学童クラブ)を担当。

池田晃裕(いけだ・あきひろ)さん 北海道教育大を卒業後、那須塩原市、大田原市の小学校に20年勤める。現在は、県立なす高原自然の家指導担当社会教育主事として、利用する学校や社会教育団体の体験活動を指導、支援している。
■とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク登録団体イベント情報
満月のスノーシューハイク(那須)
▽日時 27日、2月24日各日午後7~9時
▽参加費 4500円(高校生以上対象、スノーシューレンタル別途500円)
※申し込み、イベント詳細は那須平成の森ホームページへ。
親子で里山みそ作り
▽日時 2月12日午前9時半~11時半、午後1~3時
▽参加費 1家族7000円(体験料・材料費)
※申し込み、イベント詳細はサシバの里自然学校ほーむぺーじへ。