昨年6月に日光市で開かれた先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合のレガシー(遺産)として、県は3日までに、2024年度当初予算案に女性活躍推進事業費として1億3100万円を盛り込む方針を固めた。女性管理職の育成支援に加え、男性社員が初めて育児休業した中小企業への奨励金支給額を倍増するほか、家事分担や家事時間短縮を図る「とも家事」の普及にも注力する。機運醸成イベントも継続し、ジェンダー平等の実現を目指す。
G7会合で採択された「日光声明」では女性の経済的自立を阻む要因として、役員や管理職の女性割合の低さや、家事などの無償労働の偏りなどが挙げられた。県はこれら課題の解消に向け、女性社員が社外の女性役員・管理職の助言を受けられるメンター(助言者)制度の創設費用として400万円を計上する。
県の少子化対策緊急プロジェクトの一環で昨年11月に始まった男性育休推進奨励金は、過去に育休を取った男性社員がいない中小企業が対象。本年度は通算5日以上の育休を取得させたことなどを条件に10万円を支給しているが、さらなる促進に向け24年度は20万円に倍増する。事業費として9900万円を計上する。
とも家事普及では1100万円を計上し、企業を巻き込んで年間を通じたキャンペーンを展開する。家事時間の短縮につながる便利家電やスーパーのお総菜などの活用を提案し、家庭も企業もメリットのある取り組みを目指す。
昨年5月に県内中高生が学習成果を発表した「こども未来サミット」のレガシーとして、若い世代にジェンダー平等に関する学習機会を提供する。仕事と子育ての両立に向けたセミナーなども継続し、固定的な性別役割分担意識やアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の解消にも力を入れる。