川島さん(右から2人目)らが被災地に届けたペット用の支援物資=1月18日午後、石川県七尾市(源吉商店提供)

10トントラックで搬入したペット用の支援物資=1月18日午前、石川県志賀町(源吉商店提供)

10トントラックで搬入したペット用の支援物資=1月11日午前、石川県七尾市(源吉商店提供)

川島さん(右から2人目)らが被災地に届けたペット用の支援物資=1月18日午後、石川県七尾市(源吉商店提供) 10トントラックで搬入したペット用の支援物資=1月18日午前、石川県志賀町(源吉商店提供) 10トントラックで搬入したペット用の支援物資=1月11日午前、石川県七尾市(源吉商店提供)

 能登半島地震の被災地で、ペットと飼い主らを支援する動きが広がっている。栃木市都賀町家中、ペット用品販売店「源吉商店」は、猫の保護活動を行っている東京都のNPO法人と連携し、全国から集まった10トントラック2台分のペット関連の支援物資を被災地に搬入。地元住民の力を借り、能登半島最北部の避難所へ届けた。同店の川島久明(かわしまひさあき)社長(57)は「ペットは忘れられがちな存在。支援を通じて飼い主たちの希望につながれば」と話す。

 1月11日午前。川島さんは半日ほどかけて石川県七尾市を訪れた。トラックにはペットフードやペットシーツ、ケージなどの支援物資。同県の承認を得て、地元の建設会社に運び込んだ。その後、志賀町や内灘町の拠点にも搬入した。18日も被災地入りし、金沢市の県施設などに運搬した。

 それらの物資は、自社の通販サイト利用者の紹介や交流サイト(SNS)で集まった現地ボランティアが、輪島市の避難所などに届けた。県境を越えた物資のリレーに川島さんは「被災しながらも身を切って手伝ってくれた」と感謝した。

 ペット用支援物資の輸送は、NPO法人東京キャットガーディアン(東京都)がきっかけだった。山本葉子(やまもとようこ)代表(63)が、犬や猫の保護活動者向けの通販サイトを共同運営する川島さんに協力を要請。地震発生の直後から動き出した。

 川島さんがSNSやホームページで支援物資を募ったところ、全国から数百件の寄付が相次いだ。「1日でも早く復興しますように」など応援メッセージが添えられたものもあった。県内外の企業の協力もあり多くの支援物資が集まった。

 発災から1カ月。川島さんは奥能登からのペット用支援物資の要請を受け付けるSOS窓口を運営し、後方支援を担う。「自分に何ができるのか考えることが大切。被災地を思い続けたい」と語った。

 支援を続ける中、ほえ癖があることやケージがないなどの理由で、避難所に行けないという飼い主の切実な声もあった。同法人の山本さんは「行政はペットとの同行避難を必要とする人を把握し、同行避難できる場所を指定しておくことが必要」と指摘する。

 同法人は現在、被災者のペットの一時預かりも行う。山本さんは「現地の動物保護団体と連携し、地域のニーズにあった支援をしていく」と話している。