上三川町在住の洋画家田中定一(たなかさだいち)さんの個展「田中定一展-私の地球-」が3月1日、小山市立木のギャラリー「たから園現代工芸」で始まる。10日まで。
同ギャラリーでの個展は9年ぶり。新型コロナウイルス禍の中で描きためた小作品など約35点を展示する。
魚眼レンズでのぞいたような田中さん独特の構図で描いた新作「私の地球」は、ふるさとへの思いと自然破壊がテーマ。おどけた表情が印象的な少女を中心に、今ではあまり見ることがなくなった田んぼのわらぼっち、希望や平和を象徴した気球などを描いた。
他にも、自然をつかさどる女神をフキなどの植物と重ね合わせた「土の譜」、サクラやツバキ、ニンジン、こぶしなどの身近な花木や草花を描いた小品を出品する。「普通に花を描いても面白くないと思い、背景も含めて単純化した試作的な作品」と話している。
1949年生まれ。宇都宮大美術科卒。2022年県文化協会文化選奨。二紀会委員、県美術家協会理事。