科学教育センターのエントランスホール。左奥がプラネタリウム

科学教育センターのエントランスホール。右奥がプラネタリウム

科学教育センターのエントランスホール。左奥がプラネタリウム 科学教育センターのエントランスホール。右奥がプラネタリウム

 【真岡】市は田町の市科学教育センターのプラネタリウムを廃止することを決めた。機器が耐用年数を大幅に超過し修繕ができず、更新に多額の費用がかかるため。センターそのものもなくす。2025年度以降建物を改修して周辺施設の機能を集約、再配置し、プラネタリウムの部分は、楽器演奏や文化活動ができる貸し出し会議室にする。

 プラネタリウムを含む同センターは1993年6月、市内小中学生の天体学習と市民の科学振興を目的に開設された。当時最新の機能を備えていたドーム直径18メートル、165席のプラネタリウムをはじめ、大型観察実験装置室や科学実験室などを備えている。

 星空解説や宇宙に関する番組を流すなどプラネタリウムを一般向けにも投映し、市内小中学校が自校では難しい実験を行う授業で活用したり、市外から社会科見学を受け入れたりもしてきた。市町レベルで科学教育に特化した施設を持っているのは珍しかった。

 市財政課や同センターによると、プラネタリウムのシステムを運用するコンピューターの部品はすでに製造されていない。修繕ができず、更新には3億円近くかかると試算している。

 宇都宮市にある県子ども総合科学館に世界最高級の性能を誇る機器が導入されることもあり、廃止を決めた。各学校の教材の情報通信技術(ICT)化が進むなどし、同センターに来て学ぶ必要性も以前より薄れ、現状、実験室も授業で使われていない。

 市は2018年に作った市公共施設再配置計画に基づき、同センターを含め市役所東側に集まっている各公共施設の集約や機能の移転を進める。図書館などが入る複合交流拠点施設が25年春、市役所北側に開館するのに合わせ同センターの建物を改修し、近くの総合福祉保健センターとシルバー人材センター、青年女性会館の一部機能を移す。

 24年度内は現状のまま運用する。市財政課は「更新に多額の費用をかけるより、別の機能を持たせ建物を生かすほうがよいと判断した」としている。