和牛を味わう卒業生たち

 【那須】矢板高農業経営科の卒業生が在学中に育てた和牛を卒業生本人たちにも味わってもらおうと、矢板市末広町の精肉卸業者「山久(やまきゅう)」などはこのほど、高久丙の「ホテル森の風那須」で卒業生5人とその家族に和牛を使った特別メニューを振る舞った。同社が卒業生を招いた食事会を開くのは初めて。

 同校で育てた和牛の販売などに関わっている同社や同ホテル、JAしおのやの共催。和牛は高級で食べる機会が少ないことから、食事会を開いた。

 5人は同校の農業経営科で畜産を専門に勉強。持続可能な開発目標(SDGs)に取り組みながら和牛を3年間、育てた。通常使用する飼料の9割は外国産だが、品質向上などのため県産飼料米を使用した。初の試みだったが、口溶けや香りの良い和牛に育ち、A5ランクを獲得する高い評価を得た。

 食事会では、和牛を炭火焼きにしてわさびを合わせた料理が振る舞われた。素材の特徴である甘みと口に残らない脂を堪能。卒業生は3年間育てた牛に感謝しながら味わっていた。

 神長慎秀(かみながましゅう)さん(18)は「おいしくなるようにと思い育ててきた。脂が甘くて食べやすかった」と笑顔で話した。