小林製薬の「紅こうじ」成分を配合した食品の健康被害問題は25日、本県にも波及した。同社は食品メーカーや卸売業者などに、食品原料として紅こうじを販売しており、同社の紅こうじを使用した県内企業は商品の自主回収に追われた。県は対象商品を摂取して体調不良が生じた場合、最寄りの保健所に相談するよう呼びかけている。
パン・菓子製造の金谷ホテルベーカリー(日光市土沢、申橋弘之(さるはしひろゆき)社長)は同日、小林製薬の紅こうじ原料を使用しているとして、製造するパン3商品を回収するとホームページ(HP)で発表した。
回収する商品は「いちごブレッド」「いちごロール」「春のあんぱん」。生地の着色料として紅こうじ原料を使用していたという。同社から直接連絡を受け、23日に販売を停止した。最後に販売したのは22日で、金谷ホテルベーカリーは現在、「健康被害は確認されていない」としている。
同社は対象商品の購入者に、商品を着払いで同社へ送付するよう呼びかけている。代金は後日、返金する。担当者は「連絡を受けすぐに対応した。小林製薬には早急に安全を確認するよう求めている」と話した。
健康被害の発生を受け、栃木県は25日、HPで紅こうじ成分配合のサプリ「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」など回収対象の製品に関する情報を掲載した。県生活衛生課によると、同日午後5時現在、健康被害は把握していない。