北関東自動車道の佐野田沼インターチェンジ(IC)を降りて県道佐野田沼線を右折し直進すると、すぐ右手に道の駅「どまんなかたぬま」が見えてくる。
「どまんなかたぬま」の名称は、施設のある旧田沼町が日本の真ん中に位置することをアピールしてきた経緯に由来する。来場者の購買意欲をそそる魅力的な商品、メニューをそろえた売り場やレストランを備え、年間の利用者は200万人以上で総売上高も直営を中心に16億円超。商圏は東京圏にも広がり国内道の駅でも有数の集客力を誇る。
集客力の核が農産物直売所の「朝採り館」。市内や近隣自治体産などの農産物に加工品も販売している。野菜は「朝採り」に違わぬみずみずしさ。この時季、地元産のかき菜やイチゴ、ウド、エシャロットなどが特においしいという。栃木市藤岡町の主婦(68)は「旬の野菜が安く手に入るのがうれしいですね」と笑顔を見せた。佐野のソウルフード「いもフライ」をはじめ総菜類も豊富で、買い物かごはすぐにいっぱいになってしまうそうだ。
中華レストランの「花と華」は開業当初からの営業で、施設の“顔”の一つ。埼玉県上尾市から2時間かけて夫婦で来たという会社員男性(64)は「リーズナブルな値段で本格中華が楽しめる。リピーターと言っていい」と明かした。
特産品の「彩り館」、和洋食レストラン「はなみずき」、アイス工房「ジェラート倶楽部(くらぶ)」なども負けてはいない。食だけでなく子どものための「遊戯施設」や「足湯」も整い、施設全体の魅力を高めている。
指定管理者「どまんなかたぬま」の篠原敏秀(しのはらとしひで)社長(78)は「さまざまな仕掛けなども考えながら施設、内容の進化を図り、接客力もさらに高めていく」と言葉に力を込めた。
【メモ】佐野市吉水町366の2。営業時間は本館「ふれあい交流館」午前9時半~午後6時、「朝採り館」午前8時~午後6時、「花と華」午前11時半~午後3時(ラストオーダー午後2時半)。毎週水曜休業。(問)同駅0283・61・0077。