「包丁人」を務めた大島さん(手前右)と赤羽さん(同左)

 【日光】神前に日本料理を奉納する儀式「包丁式」が24日、山内の日光二荒山神社で行われ、古式ゆかしい作法を「包丁人」が披露した。

 県日本調理技能士会が主催し、約60人の関係者が参列。平安時代が起源とされる包丁式は、包丁やまな板への感謝を伝えるとともに、五穀豊穣(ほうじょう)なども願って行われる。儀式は京都発祥の日本料理の流派「生間(いかま)流」が執り行った。

 主役の包丁人を務めたのは「創作割烹(かっぽう)大しま」(今市本町)の店主大島英明(おおしまひであき)さん(53)と「奥日光ゆの森」(湯元)の取締役総料理長赤羽賢(あかばねさとし)さん(45)。狩衣(かりぎぬ)姿の2人は参列者らが見守る中、まな板のコイを包丁、箸だけを使って優雅な作法でさばいた。

 大島さんは「非常に緊張したが、大役を賜ったことに感謝したい」、赤羽さんは「辰(たつ)年ということもあり、コイが竜のように上っていくイメージで行った」と振り返った。