ロマンの湯の館内に設けられた青木と福田を紹介するコーナー

 【芳賀】上延生(かみのぶ)の温泉施設「道の駅はがロマンの湯」はこのほど、施設名の由来となった洋画家青木繁(あおきしげる)と町出身の福田(ふくだ)たねの生涯を紹介するコーナーを新たに設けた。複製画も展示し、町内外への「ロマン」と2人の物語の浸透を目指す。

 28歳で早世した青木は明治浪漫主義を代表する天才画家と称され、恋人の洋画家福田との愛の中で傑作が生まれたとされる。代表作「海の幸」に登場する女性は福田がモデルといわれ、「わだつみのいろこの宮」は青木が福田の実家近くの民家をアトリエとして制作した。

 館内には両作品などの複製画を飾ったほか、青木と福田の生涯をパネルで解説している。2人の子で後に音楽家、尺八奏者となった福田蘭童(ふくだらんどう)と、たねが青木と別れた後に結婚して生んだ四女、書道家芥川(あくたがわ)やす子(こ)についても触れている。

 道の駅はがの阿久津俊夫(あくつとしお)社長は「町外の方にも2人の物語を知ってもらい、地域の文化の薫りに接してほしい」と話す。