指揮する榊󠄀(右)とピアノの阿久澤

演奏会に向けて練習に励む栃響=宇都宮市内

指揮する榊󠄀(右)とピアノの阿久澤 演奏会に向けて練習に励む栃響=宇都宮市内

 県交響楽団(栃響)は16日、宇都宮市文化会館で第115回定期演奏会を開く。昨年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の音楽レコーディングで劇中音楽の指揮をした榊󠄀真由(さかきまゆ)(30)を初めて迎え、栃響事務局は「新しい風を吹き込んでくれるのでは」と期待する。ピアノは2回目の出演で、栃響とゆかりの深い宇都宮市出身のピアニスト阿久澤政行(あくざわまさゆき)(40)が舞台を彩る。

 榊󠄀は桐朋学園大指揮専攻卒業。指揮を梅田俊明(うめだとしあき)に師事した。2013、14年、霧島国際音楽祭指揮クラスで音楽祭賞を受賞。主に関東圏のオーケストラで指揮している。

 本県での指揮は初めて。オーケストラでは珍しいというシューマン作曲「交響曲第2番」を選んだ。「音調が平たんで地味な印象を受けるかもしれないが、面白みがある」と魅力を語る。

 幕開けはガーシュイン作曲「パリのアメリカ人」で華やかに。本番を前に「残りの練習でメンバーが自由に音を出せるよう、殻を破る指導ができれば。観客の皆さんにも、それぞれ好きな楽しみ方で聴いてもらいたい」と話す。

 阿久澤は宇都宮短期大音楽科から武蔵野音楽大音楽学部器楽学科に編入。卒業後はハンガリー国立リスト音楽院で学んだ。第3回A.サリエリ国際コンクールでピアノ部門1位、総合グランプリ受賞などの入賞歴がある。

 今回はソリストとしてチャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲第1番」を演奏する。高校時代に足を運んだ栃響の定期演奏会で「いつか弾いてみたい」と憧れた曲。当時購入した楽譜を携えて挑む。

 宇都宮短期大や同大付属高で講師を務める立場から「特に若い世代を刺激するような演奏をして、栃響と音楽で地域を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 午後2時開演。チケットは大人1200円(当日1500円)、小中高生600円(同800円)で全席自由。宇都宮市文化会館や県総合文化センターのプレイガイドで販売している。(問)栃響事務局028・643・5288。