地元のスーパー経営者と地域の復興について話し合う林さん(左)=30日午前11時35分、石川県輪島市町野町粟蔵

 古里の復興の力になりたい-。特別な思いで、本県から石川県輪島市町野町(まちのまち)地区へボランティア活動に通う人がいる。同地区出身の下野市、パート従業員林愛子(はやしあいこ)さん。認定NPO法人「とちぎボランティアネットワーク」(とちぎVネット)の活動を知り、5月から支援に加わった。倒壊した家屋、土砂崩れを起こした山、避難生活が続く住民。高校卒業まで過ごした古里には能登半島地震による大きな傷跡が残る。「助けを必要としている町野町の人のためになりたい」。今後も支援を続けると決意している。

 「生活で何か困っていることはありますか」

 30日午前、仮設住宅の玄関先。林さんがそっと、高齢女性に話しかけた。地元区長からの依頼で、入居者の健康面や生活の相談を聞いて回る。女性は入居して約2週間。横殴りの風雨の中、懸命にメモを取った。