国際大会で予選突破を目指す宇都宮高英語部のメンバー

 昨年12月、全国高校生英語ディベート大会で4年ぶり3度目の優勝を果たした宇都宮高英語部が、11日からチェコで開かれる国際大会での予選突破を目指し研さんを積んでいる。後輩の目標を支えようと、4年前オンラインで出場した先輩も練習をサポート。出場する3年佐々木舜(ささきしゅん)さん(17)は「経験を重ね、相手の主張が予想できるようになってきた。国際大会でも先を読むことが大切」と大会を心待ちにしている。

 大会はチェコディベート協会主催の「Pague Debate Spring2024」で、11~14日に35カ国の70チームが出場予定。その場で出された論題を議論する即興型で行われ、予選6試合と決勝トーナメントが行われる。

 同校は佐々木舜さんと金枝央賀(かなえだおうが)さん(17)、佐々木絢矢(ささきしゅんや)さん(17)、長谷川龍大郎(はせがわりゅうたろう)さん(17)の3年生でつくるAチームと、3年小林大輝(こばやしだいき)さん(17)、笠松亮人(かさまつあきと)さん(17)、仲山灯(なかやまともる)さん(18)、2年小松大地(こまつだいち)さん(16)、引地悠士(ひきちゆうし)さん(16)の混成Bチームが出場。試合には各チーム3人が出場する。

 同校が国際大会で予選を突破したことはない。そこで部員たちは、客観的な立論ができるよう社会性の高い過去の論題研究などに力を入れ、経験を積むため即興型ディベートの全国大会にも挑戦。前回全国制覇した先輩にも指導を受け、柔軟な対応力の必要性などを学んできた。

 顧問の吉田砂絵子(よしださえこ)教諭は「海外の出場者の体格や声の大きさ、表情、雰囲気などを体感できる貴重な機会。オンライン出場とは迫力や緊張感が違うだろう」と分析する。

 3勝以上で決勝トーナメント出場が見えてくる。小松さん、引地さんは「先輩たちと一緒に学び、伝統を受け継ぎたい」と目標達成へ決意を込めた。

 【生徒の一言】

 佐々木舜さん「国際大会は貴重な機会。最近、ディベートの楽しさが分かってきた。いい結果に向け準備を頑張りたい」

 金枝央賀さん「最後の大会なので、満足できるように終わりたい。勝つこと以上に、習った技術を出し切りたい」

 佐々木絢矢さん「勝ちだけでなく負けも経験し、魅力的なスピーチの大切さを学んだ。高いポイントを目指したい」

 長谷川龍大郎さん「ディベートを通じて自分の見聞を広めたい。人生においても大きな出来事。英語力向上にもつなげる」

 小林大輝さん「最後なので楽しみたい。2人目のスピーカーを務める予定。流れをつくり、チームを立てたい」

 笠松亮人さん「このメンバーで行けるのがうれしい。つらい思い出もあるがディベートは青春。乗り越えて良かった」

 仲山灯さん「全国大会はメンバー外。複雑だったが、国際大会に出られてうれしい。指導してくれた先生や親に感謝です」

 小松大地さん「先輩たちと戦える最後の機会。チームの一員として勝つために力を尽くす。経験をスキルに変えて頑張る」

 引地悠士さん「国際大会では相手サイドの戦略などを考え、先輩たちをサポートしたい。こんな経験はなかなかできない」