アニメ「黒執事-寄宿学校編-」に登場するクリケットシーンとともに、クリケットの競技としての魅力やルールを紹介する動画が、アニプレックス(東京都千代田区)の公式YouTubeチャンネルで公開されている。佐野市を本拠地とする日本クリケット協会が動画を監修した。協会関係者は「アニメや動画が、クリケットを知ってもらうきっかけになるといい」と期待を寄せる。

 アニメ「黒執事」は、世界中で人気を集める同名の漫画が原作。19世紀の英国を舞台に、「女王の番犬」として裏社会の汚れ仕事を請け負う名門貴族の執事セバスチャン・ミカエリスと、13歳の主人シエル・ファントムハイヴがさまざまな事件を解決していくストーリーだ。

 「寄宿学校編」は、アニメ化6作目として4~6月にとちぎテレビなどで放送された。学校の伝統行事である寮対抗クリケット大会が見どころの一つとなっている。

 

 動画は約7分で、アニメの最終回直前に合わせて6月下旬に公開された。作中でクリケットの名選手でもあるハーマン・グリーンヒル役を務める声優の武内駿輔(たけうちしゅんすけ)さんがナレーションを担当し、本編のクリケットシーンを振り返りながら、ポジションや得点の入り方などの基本ルールを解説する。長時間にわたる試合の合間にはかつてティータイムが設けられていたことなど、クリケットならではのエピソードも盛り込まれている。

 動画の後半には「日本のクリケットの聖地」として佐野市国際クリケット場(佐野市栃本町)が登場する。広い芝生を背景に紅茶やスコーンを楽しめるティールームも併設されていることから、「黒執事の世界にワープした気分が味わえそう」と紹介されている。

 原作から監修を行ってきた日本クリケット協会。アニメ化が念願だったという事務局長の宮地直樹(みやぢなおき)さん(45)は「今回の動画でさらに多くの人に興味を持ってもらい、実際にクリケット場へ来たり競技に触れたりしてもらえたらうれしい」。ファンの“聖地巡礼”にも期待を寄せており、競技だけでなく、まちの活性化にもつなげたい考えだ。